米連邦準備理事会(FRB)の研究者たちが中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)に関する研究結果を発表した

「中央銀行デジタル通貨:文献評論」と題されたレポートで、FRBのエコノミストであるフランセスカ・カラペラ氏とジーン・フレミング氏は、デジタルドルの商業銀行や金融政策に対する影響について調査結果を報告した。同レポートは、CBDCが消費者行動や金融安定性にどのような影響を与えるか理論的に理解をしようという試みだ。

「理論的な観点からすると、CBDCはパブリックとプライベートのマネーに関する長年の疑問を想起させる(中略)CBDCが金融政策を直接的に世帯に導入する手段になるかに関してもだ」

その上で研究者たちは、「CBDCの本質的な特徴」に関する疑問こそが最も重要な研究テーマだと述べた。

「新しい文献が出ても、多くの質問が残る。最も重要な質問は、支払い手段と価値保存手段のうちCBDCの本質的な特徴として世帯のポートフォリオから見た選択肢としてはどちらが重要かだ」

中国人民銀行がデジタル人民元発行にむけて加速する中、FRBのパウエル議長はデジタルドル発行に関して慎重な見方を示している。

パウエル議長は、10月19日にCBDCについて言及し、早く発行することよりも正しく発行する方が重要という見方を示した。パウエル議長によると、「正しくやる」とはCBDCの潜在的な恩恵のみに注目するのではなく、リスクを注視することだと解説。米ドルが現在は世界の基軸通貨であり、デジタルドルを作ることによる影響を慎重に検討する構えだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン