米国で現物イーサリアム上場投資信託(ETF)が取引を開始してから、7月23日でちょうど1年を迎えた。現在、過去3週間にわたり継続的な資金流入が続いており、過去最高水準の流入日も数多くあった。

米証券取引委員会(SEC)は2024年7月23日、ブラックロック、フィデリティ、21シェアーズ、ビットワイズ、フランクリン・テンプルトン、ヴァンエック、インベスコ、そしてグレースケールの2本を含む計9本の現物イーサリアムETFに取引開始を認可した。

コイングラスによれば、それから12か月で、これら9本のETFには合計で約86億9000万ドルの純流入があり、現在の運用資産総額は165億7000万ドルに達している。

なかでも、直近14営業日の連続した資金流入によって、約39億ドルという純流入額のほぼ半分がこの2週間で形成された。

イーサリアムETFへの流入額 Source: CoinGlass

過去1年間、イーサリアムの価格は、ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新するなかで、2021年11月に記録した過去最高値の約4900ドルを超えるには至っていない。価格は2024年12月に4000ドルに到達した一方で、4月には1500ドルまで下落するなど、広いレンジでの取引が続いている。

ETF市場においては、イーサリアムETFは24年初頭にローンチしたビットコインETFの陰に隠れがちであり、ビットコインETFはすでに545億ドル近い純流入を記録している。

なお、イーサリアムは現在3600ドル付近で推移しており、当日中はやや下落したものの、過去12か月では8%超の上昇となっている。

過去7番目の流入額で1周年を祝う

イーサリアムETFは上場1周年となる7月23日、1日あたりの流入額としては過去7番目となる3億3220万ドルの資金を集めた。

ノバディウス・ウェルス・マネジメントのネイト・ジェラシ社長はXで、「過去2週間で、ETFのトップ7に入る流入日のうち6日が記録された」と述べた

これらのファンドは7月16日に過去最高の流入日を記録し、7億2660万ドルが流入した。

ブラックロックETFがグレースケールの流出を相殺

ブラックロックのイーサリアムETF(iシェアーズ・イーサリアム・トラストETF:ETHA)は、過去1年で89億ドルの純流入を記録し、圧倒的なシェアを占めている。

この流入は、グレースケール・イーサリアム・トラストETF(ETHE)からの43億ドル近い純流出を相殺するかたちとなった。ETHEは2017年にトラストとして立ち上げられ、その後ETFに転換されたが、基準価額に対するディスカウント幅が縮小するなかで、投資家の流出が続いている。

ジェラシ氏はXで、「ETHファンドが上場して以降、ほぼ1000本のETFが新たにローンチされたが、ブラックロックのETHファンドが全ETF中で流入額トップに立っている」とコメントした

次の段階はステーキングの承認

現在、ETF発行者は、イーサリアムのブロックチェーンネットワークに貢献することで報酬が得られる「ステーキング」をファンドに組み入れることを目指している。

アナリストたちは、米証券取引委員会が早ければ今月にもステーキング付きのETFを承認する可能性があると予想しており、仮想通貨バスケットやソラナ(SOL)に連動するETFなど、他の仮想通貨関連商品にも前向きに動く可能性があると見ている。

なお、史上初のステーキング対応ETFは今月初旬にREXシェアーズとオスプレイ・ファンドが共同で発行しており、ソラナを保有・ステーキングしてその報酬をファンド投資家に還元する仕組みとなっている。

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