米下院金融サービス委員会は、フェイスブックとそのパートナーらに対し、仮想通貨「リブラ」の開発中断するよう求めた。7月2日に同社CEO宛に書簡で伝えた。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)、FB子会社カリブラのデービット・マーカスCEOシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)に宛てた書簡で、同社とそのパートナーらは、リブラとその専用ウォレット「カリブラ」の開発を一時中断することに直ちに同意することを求めた。

昨日時点で、米国の30以上の圧力団体が米議会に対して、リブラの開発中断を正式に求めていることが明らかになっていた。

米下院金融委員会は、同プロジェクトは「スイスを本拠地とし、米国の金融政策および米ドルに匹敵するまったく新しい国際金融システム」を導く可能性があると主張。そういったものは深刻な影響を及ぼすと指摘している。

「これは、2億人超のフェイスブックユーザーにとってだけでなく、投資家や消費者、グローバル経済にとって、深刻なプライバシー、商取引、国家安全保障、金融政策上の懸念を生む」

また、サイバーセキュリティの脆弱性も予測されるとし、何兆ドルもの無保険のデポジットが失われる可能性もあり、消費者はプライバシーと国家安全保障上の重大な懸念にさらされることになるとも述べている。

「こういったプロダクトやサービスが十分に監督されず、不適切に規制されたままの状態の場合、米国および世界の金融の安定を危くするシステミック・リスクを引き起こす可能性がある

同委員会は、規制当局が問題を解決するまで、「フェイスブックとそのパートナーらは計画を直ちに中断することが必要不可欠」だとし、以下のように締めくくっている。

我々が問題を解決できる前に中断しなければ、スイスを拠点とする新たな金融システムが “ 大きすぎてつぶせない ” という、危険にさらされる可能性がある」

今回の書簡は米議会のフェイスブックへの懸念が改めて示された形となったが、今月16、17日には米議会でリブラを巡る公聴会が開かれる予定だ。フェイスブックの当事者の口から、こういった懸念への反論が行われることになるとみられる。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版