米証券取引委員会(SEC)は4月4日、一定の条件を満たすステーブルコインについて「非証券」に該当すると認定し、取引報告義務の対象外とする方針を示した

SECが定義する「カバード・ステーブルコイン」は、物理的な法定通貨、もしくは短期・低リスクかつ高流動性の金融商品によって完全に裏付けられ、かつ1対1の比率で米ドルによる償還が可能なトークンを指す。

この定義には、ソフトウェアや自動取引戦略によってドルペッグを維持するアルゴリズム型ステーブルコインは含まれない。そのため、アルゴリズム型ステーブルコインやシンセティック・ドル(合成ドル)、利回り付き法定通貨トークンの規制上の位置づけは不透明なままとなっている。

SECの新ガイドラインによれば、カバード・ステーブルコイン発行者は、準備資産を運営資本と混在させてはならず、またトークン保有者に対して利息や配当、あるいは利回りの提供も禁止される。さらに、準備資産を投資や市場投機に使用することも禁じられる。

SECの定義は米国の政策方針とも一致

SECが定めたカバード・ステーブルコインの基準は、ビル・ハガティ上院議員が提出した「GENIUSステーブルコイン法案」や、フレンチ・ヒル下院議員が提出した「ステーブル法」に盛り込まれた規制内容と一致している。

これらの法案は、米ドルおよび米国債によって裏付けられたステーブルコインを通じて、米ドルの基軸通貨としての地位を強化することを目的としている。

中央集権型ステーブルコインの発行者は、米ドル建ての預金や短期米国債を金融機関に保管しており、それによって米ドルおよび米国債の需要を押し上げている。

世界最大のステーブルコイン発行者であるテザーは、現在ではカナダ、ドイツ、韓国といった国々を上回り、米国債の保有額で世界第7位に位置している

3月7日に開催されたホワイトハウス・デジタル資産サミットで、スコット・ベッセント財務長官は、米ドルの支配力を維持・拡大する手段としてステーブルコインを活用する方針を明言した。ベッセント長官は、ステーブルコインの規制は政権のデジタル資産戦略の中核であり、今会期中の最優先課題であると強調した。