香港証券取引所(HKEx)に上場申請中の仮想通貨マイニング機メーカーのエバン・インターナショナル(Ebang International)の株式公開手続きは、同社の違法な慣行が原因で停止されているようだ。金融ニュースのSina Financeがこのほど伝えた

エバン・インターナショナルは、ASICチップ設計や製造、通信サービス、ブロックチェーン・プロセッサの開発、製造、販売、マイニング機開発などを行っている。

6月、エバンは、新規株式公開(IPO)の目論見書を香港証券取引所に提出し上場申請した。Sina Financeによると、エバンは10月16日に公開する予定だったが、同社が不当に5億元(約81億円)以上を使用したことで非難されたているという。

投資と資産の管理ポータルYindou.comとエバンの間で5億2490万元(約85億円)の取引を調査した結果、2017年にYindouディレクターのLi Yonggang氏の妻Cui Hongwei氏が、資金をエバンに移転したことがわかったという。2018年3月から4月、エバンはCui Hongwei氏に3億8000万元(約61億5000万円)を送金したようだが、1億4490万元(約23億4000万円)は失われている。

Sina Financeは、エバンが上場をスムーズにするためにYindou.comから受け取った資金でマネーロンダリングをしたり、売り上げを増やしたりしたと指摘している。

エバンは、1億4490万元の消失について、Yindou.comとエバン間の定期的なビジネス関係で、クラウドコンピューティングサーバ機器を購入したと説明したという。

香港証券取引所には、エバンの上場を阻止する要請が10月12日に伝えられたようだ。その後、上場部門がエバンを調査。現在は追加の対応が必要かどうか判断するために関連情報を見直しているという。現時点でエバンはコインテレグラフの質問に返答していない。

中国のマイニングメーカー最大手ビットメインもIPOを前に疑わしい行動が指摘されている。同社は6月に香港証券取引所に上場申請し9月の上場を予定していた。プレIPOの最初のラウンドでは、ソフトバンクやDSTグローバル、テンセントなど大投資家が参加したとメディアに報じられたが、DSTもソフトバンクもビットメインへの投資を否定した。