イギリスが2022年までにブロックチェーン技術と仮想通貨分野でリーダーになる可能性があると予測する新しいレポートが出ている。英ガーディアンが16日に報じている。

 新しいレポートはビックイノベーションセンター、DAGグローバル、ディープナレッジ・アナリティクスhttp://analytics.dkv.global/によるものだ。レポートの分析によると、イギリスは今後数年後にブロックチェーンの技術開発や仮想通貨エコシステムの先端的なハブになると予測している。

 イギリスでは17~18年にかけ、ブロックチェーン企業に約5億ポンド(約740億円)以上の投資が行われた。レポートは、ブロックチェーン業界がまだ黎明期にあり、イギリスがこの分野でリーダーシップを取る可能性があるとしている。

 ビックイノベーションセンターのビルジット・アンダーセン氏は、イギリス議会がブロックチェーン技術に将来性があるとみており、「政府の様々なイニシアチブを通じて、デジタル経済の加速度的な発展を支援する姿勢を示している」とガーディアンに語っている。

 DAGグローバルのショーン・カーネマンCEOは、イギリスの伝統的経済と仮想通貨との溝は、今後数年以内に「緩和され、最終的には消えるだろう」と予測する。

「イギリスは世界的な金融の中心地であり、最近はフィンテックのリーダーとなっている。そして、ブロックチェーン技術と仮想通貨エコノミーのリーダーになる可能性に挑戦し始めている」

 実際にイギリスはブロックチェーン技術の導入に積極的だ。英オックスフォード大学の教授グループは、高等教育の民主化を掲げ、「ブロックチェーン大学」の設立を計画している。イギリスの国立公文書館が、公文書保存のためにブロックチェーン技術を活用するプロジェクトも進められている。

 このような技術の実装の動きに政治の側もイニシアチブを取ろうとしている。イギリスのエディ・ヒューズ住宅担当大臣が今月4日、ブロックチェーンに関するレポートを公表。この分野で「リーダーシップを示す」よう政府に求めた。「社会的自由を可能にし、効率性を高め、社会的信頼を再建するために、国はブロックチェーンの利用に目を向けるべきだ」と、ヒューズ氏は強調している。