「アークエンジェル」プロジェクトは、英国立公文書館のデジタル記録を改ざん不能な状態で登録するため、ブロックチェーン技術の利用を検討している。国立公文書館が6日、ブログへの投稿で公表した。

 国立公文書館、サリー大学、英オープンデータ・インスティテュートが立ち上げ、英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)が資金援助するこのプロジェクトは、文書が如何に編集されてきたか、その追跡記録を示すブロックチェーンの原型を作成しようとしている。

 国立公文書館のデジタル保存サービス責任者、アレックス・グリーン氏によれば、プロジェクトの目標は、「どのような機関も単独で歴史を書き換えようとはできなくなる保証」として、英国内及び世界中の公文書でブロックチェーンが利用されるようになることという。

「アークエンジェルは、デジタル記録文書が修正されたこと、そしてその修正が正当なもので、その記録文書が最終的に本物として信頼できるのかということを、如何にして知ることができるのか調査している」

 アークエンジェルのウェブサイトによれば、プロジェクトは18ヶ月にわたり、「文書内容の完全性を証明し、公共のデジタル記録文書へのオープンなアクセスを可能にする信頼できる分散化技術の下で、文書記録業務、持続可能なモデル、及び世間の考え方を如何に進化させることができるか判断するため、全く新しいDLT(分散型台帳技術)サービスの原型をエンドユーザーと共に共同開発及び評価すること」を研究する。

 4月中旬、英国会議員がブロックチェーンを称賛する演説を行い、この技術は「歴史に残る影響」を与えるだろうと述べた。2月には、英財務特別委員会が仮想通貨に関する調査を実施すると発表したが、ブロックチェーン技術のイノベーションを妨げることは望んでいないとも言及している。