英政府、分散型台帳技術によるデジタル証拠保全を模索

 英国政府が、分散型台帳技術(DLT)を使ったデジタル証拠や身元情報を保全する方法を探っていることが、23日付けのブログで判明した。

 王立裁判所・審判所サービス(HMCTS)と内閣府の「オープンイノベーション」チームが共同で、DLTを活用したデジタル証拠保全に関する会合を開いた。ブログを執筆したのは、HMCTSの「デジタルアーキテクチャ・サイバーセキュリティ」チームを率いるバラジ・アンビル氏。HMCTSは、証拠の共有や身元管理といった従来の手順に新たなテクノロジーを適用する方法を模索し、個人の身元データの管理体制を強化していくと同氏は語っている。

 会合では、インペリアル・カレッジで技術政策フェローや研究員を務めるサデク・フェルドス博士が、プライベート型とパブリック型のDLTシステムに関する最新の研究を概説した。博士はデジタル証拠の履歴を確保するという課題について解説し、監査証跡(オーディットトレイル)がデジタル証拠システムの中核になると述べた。

「(監査証跡は)システムの活動を時系列で記録する。デジタル証拠が誰によって、どの場所から、どのように作成・アクセス・変更されたかを記録し、出来事の順序や、デジタル証拠の現在の状態につながる動きの再構築と調査を可能とする」

 DLTにはデジタル証拠を保護し、証拠チェーンの完全性を確保する上で「肝心な能力」が備わっている、とアンビル氏は言う。英国はこれまでブロックチェーンテクノロジーを広く採用しており、当該分野および仮想通貨経済で世界を主導していく意思を示している。ビッグ・イノベーション・センターとDAGグローバル、ディープ・ナレッジ・アナリティクスが先月行った調査では、英国が、仮想通貨経済エコシステムや世界的なブロックチェーンハブのリーダーになれるだけの政府機関や技術・産業面の資源を備えていることが示された。
英国のエディー・ヒューズ住宅相は、当該テクノロジーとその恩恵を優先政策とすることで「リーダーシップを示す」よう政府に求めた。

 「国家はブロックチェーンの活用により、社会的自由を実現し、効率を高め、社会の信頼の回復に務めるべきだ。そのような技術を使って国家が個人の生活に立ち入るのを許すのではなく、個人が必要とする国家との関わりにおいて、彼らに力を与えるために技術を使うべきである」

 英国の金融行動監視機構(FCA)は、14年に規制サンドボックスを立ち上げた。適切な消費者保護を備えながら、厳しい規制がない市場環境において、様々な商品やサービスを試すことができるように設計されている。FCAは7月にサンドボックスの第4グループへの申請が許可された29の企業を公表したが、そのうち40%がDLTを使用していた。