アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)戦略の第1フェーズを実施する準備を進めている。
UAEの中央銀行はリテールとホールセールの両方でのCBDCの利用を検討している。この新戦略は3月23日、R3およびG42クラウドとの契約調印式で始動した。R3はデジタル・ディルハムのインフラを、G42クラウドは技術を提供する。
戦略の第1フェーズには3つの要素がある。第1に、プロジェクトmBridgeのソフトローンチを予定している。第2に、UAEの主要貿易相手国であるインドとの二国間CBDCブリッジの概念実証だ。第3に、ホールセールおよびリテールでの国内CBDCの概念実証だ。
CBDC戦略はUAE中央銀行のより大きな金融インフラ変革プログラムの一部となっている。「CBDCは国内外の支払いの問題点に対処し、金融包摂を促進し、キャッシュレス社会への移行を支援する」としている。
UAEは、「初の実際の価値を持つクロスボーダーCBDCのパイロット」であるプロジェクトmBridgeの創設メンバーだ。また、サウジアラビア中央銀行とのプロジェクトAberを成功した取り組みとして挙げ、新戦略に先立つものとしている。
R3およびアブダビを拠点とするG42との契約は2023年3月に発表された。当時、戦略の実施には12から15ヶ月を要すると予想されていた。
G42は2022年10月にOpenAIとの間で金融サービス、エネルギー、ヘルスケア、公共サービス分野での協力を見込む契約を結んだ。
R3はCBDC技術の主要開発者であり、許可型ブロックチェーンのCordaを提供している。同社は国際決済銀行のプロジェクトをはじめ、多くのプロジェクトに関与している。