トロン財団は8日、トロンの名前を悪用したポンジスキーム(ネズミ講)への抗議の声に対して公式声明を発表した。トロン財団は「騙された人々に同情するが、暴力行為を強く非難する」とし、詐欺行為を行っていたとされる企業に「同社の名前の使用を停止するよう求めた」と述べた。
【関連記事:仮想通貨トロンの北京オフィスに警察出動 投資家が抗議で殺到】
同件を巡っては、中国の北京にあるトロンのパートナー企業のオフィス「Ryobo technology」が抗議活動を行う人たちに囲まれ、警察が出動する事態となっていた。トロンの名を使った詐欺行為で約3000万ドルの被害が発生し、1人が自殺に追い込まれたとされる。中国人投資家らはトロンに対して説明を求めていた。
トロンは今回の発表で、抗議者らとのやりとりから、投資家の一部がトロンとトロンが所有するビットトレントの中国語の名前に似た呼び名の詐欺スキーム「ウェイブ・フィールド・スーパー・コミュニティー」にハイリターンを約束され、出資させられていたことがわかったとしている。
「トロンは、騙された人々に同情し、理解する。同社は、同社が直接管理していない出来事の結果によって行われたと思われる暴力的な行為を強く非難する」
トロンはさらに、Ryobo technologyがウェイブ・フィールド・スーパー・コミュニティーに連絡し、トロンの名を使用することを停止するよう要請したと説明している。また警察当局とも協力していくことを表明した。トロン側は声明の中で、トロンや関係企業の名前を騙った詐欺行為に注意するよう改めて投資家に警告している。
トロンのジャスティン・サンCEOは、コインテレグラフに対して次のようにコメントした。
「私は、今日、我々のパートナーオフィスに広がるこの不幸な出来事について、真実を求める多くの声を聞くことができてよかったと思っている。正直に率直な話をしたと信じる。出来事を捻じ曲げたり、判断を急いだりすることは、騙された投資家の助けにはならず、フェイクニュースによる価格下落でトロンコミュニティの投資家を傷つけることになる」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
【訂正】3000億ドルとあったのは、3000万ドルの間違いでした。