イラン中央銀行(CBI)の高官は、同国でのビットコインといった仮想通貨の売買は違法であると国民に警告した。地元ニュース「タスニムニュース」が7月8日に報じた

CBIの新技術担当のナッサー・ハキーミ副総裁は、イランのアンチマネーロンダリング(AML)最高評議会がビットコインの売買を禁止しているとし、ビットコインの売買とマイニングとは区別するべきだと語った。

タスニムニュースとのインタビューで、ハキーミ氏は国民に対し、ビットコインの投資リスクを指摘した上で、法律に抵触することを警告した。またビットコインへの投資を謳った詐欺的な投資業者やマーケティング業者の広告についても懸念を示した。

イランでは昨年から国内での仮想通貨取引を禁止している。だが一方で、米国の経済制裁によりイランの通貨リアルの価値が下落する中で、一般国民の間ではビットコイン需要が高い状態だ。

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また仮想通貨マイニングについても、大量の電力消費が現地で問題化している。今年6月後半、イラン政府は、仮想通貨マイニングによるエネルギー消費急増により電力網が不安定化しいるとし、マイニング業者への電力供給を遮断する意向を示していた。現地の業者は、イラン国内で「聖域」となっているモスク(イスラム教の寺院)へマイニング装置を移し、政府に対抗しようとしている。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版