デジタル資産およびブロックチェーン技術への投資を行う米ファンド「デセントラル・パーク・キャピタル」が、メッセージアプリ大手テレグラムの独自ブロックチェーン「テレグラム・オープン・ネットワーク(TON)」に関する調査レポートを明らかにした。TONの価値が5年間で200億ドル(約2兆1600億円)を超えると予想し、その独自トークン「グラム(Gram)」についても時価総額トップ10に入るトークンの1つになる可能性があると主張している。
眠れる巨人の目覚め
59ページからなる「テレグラム・オープン・ネットワークの現状 眠れる巨人の目覚め」では、TONの高い可能性を指摘。仮想通貨と「銀行口座を持たない銀行」関連アプリを相互接続するゲートウェイとして機能できること、アップルなどのアプリストアのように、ユーザーが自分が利用したいウェブ 3.0アプリを見つけられる、初のプラットフォームとなることをを強調した。
TONが抱える3つの課題
同時にこのレポートでは、有望な技術の導入にあたって、TON内外の多くの問題に対処していない点も指摘した。開発者に対するオープン性の欠如、テレグラム拠点国政府(ロシア)の非友好的な態度、需要と販売圧力について予想される不均衡など、TONが抱える3つの課題を説明した。
デセントラル・パーク・キャピタルは、TONが他プロジェクトと比べ開発者に対して開かれた環境となっていないため、「優れた才能を集めるべき世界」では不利と考えているという。
また政府の疑念により、法定通貨からグラムへの価値の流れが抑えられ、グラム普及が押しとどめられると説明した。
最後に、仮想通貨投資家の関心の低さ、テレグラムユーザーがグラムを購入する方法の少なさ、完成の遅れなどの問題は、短期から中期的に資産の需要を上回る販売圧力につながるとレポートした。
テレグラムのブロックチェーンTONは10月末にローンチする予定だ。
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版