今年の仮想通貨相場はやや焦りすぎだったのかもしれない。

マネックス仮想通貨研究所所長を務める大槻奈那氏は12日、今年4月から6月にかけて起きた相場を「スピード違反だった」と評した。

大槻氏は2014年のマウントゴックス巨額ビットコイン流出事件後のビットコイン価格と、今年の価格推移を比較。今年4~6月にあった上昇はリブラの期待感が現れたものであり、上昇局面はまだ先であると説明した。

マネックス資料

(出典:マネックス仮想通貨研究所「ビットコインの価格:Mt.ゴックス事件後 vs 現在」」)

リブラへの期待感も現在は「風前の灯火」の状態になってしまっている。大槻氏も現在の価格は「リブラ発行へのわずかな期待とデジタル人民元への期待でなんとか持っている」と指摘。これがなくなった場合には下がるか、持ちこたえて上昇基調に乗るかが焦点になるだろうとした。ただ、大槻氏は上昇基調に乗るまでの期間については「あと1年ほどはかかる」と予想した。

1年というと来年5月のビットコイン半減期も価格には影響がないということになる。

上記のグラフで見ると、ピーク時から144週前後の2020年9月〜10月ごろにじわじわと上昇局面に入りそうだ。

こうした上昇局面については、大槻氏同様、半減期後に起きるとの声も増えてきている。

ビットコインの著名テクニカルアナリストのピーター・ブラント氏やモルガンクリークデジタル共同創設者のジェイソン・ウィリアムス氏なども、半減期は上昇圧力にはならないと指摘。ブラント氏は7月に5500ドルで底をつけて、そこから上昇基調に乗ると予想している。


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