蘭大手銀行INGでエコノミストを務めるカルロ・コクーゾ氏は、複数の国々や団体が中央銀行のデジタル通貨の有用性を検討し始めるなか、現在世界の準備通貨とされる米ドルは打撃を受けるとの見解を示した。

コクーゾ氏は、英ロンドンで開催されているブロックチェーン・ウィークに登壇。外国為替出来高の90%の米ドルは「支配的な通貨」だと指摘し、デジタル通貨が発行されれば米ドルは最も影響を受ける可能性があると指摘した。昨年9月のザ・ブリッジ報告でも、外貨準備高の60~70%が米ドルとされていた。

過去1年間で、さまざまな団体や政府がデジタル通貨の発行に興味を示している。

フェイスブックは昨年6月、通貨バスケットや金融商品に裏付けされる独自ステーブルコイン「リブラ」のホワイトペーパーを公開。中国政府もデジタル人民元の調査に関する報道が度々あった。

コクーゾ氏は、国民が現地通貨以外での支払いができるようになる環境について疑問を投げかけている。「中国は、デジタル元を通じて外国の顧客へアクセスを提供できるようになる」とし、以下のように述べている。

「外国為替における米ドルへの影響はどのようなものだろうか。衝撃があるのは明白だ。私は米国の中央銀行が黙ってみているとは思わない

ビットコインの誕生から10年以上がたつ。テクノロジーに支えられたビットコインは、スピードとセキュリティで世界に新たな手段を示した。国や大手企業がそのテクノロジーを探究するにつれ、管理する組織らはこういった変化をもたらす新たなシステムへの対応を必要とされるだろう。


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン