香港警察のサイバーセキュリティ部門が5月27日、Web3やメタバースに関連する潜在的な危険を一般市民に教育するための新しいメタバースプラットフォーム「サイバーディフェンダー」を立ち上げた。

声明によると、香港警察のサイバーセキュリティおよび技術犯罪局(CSTCB)は、新たなメタバースプラットフォーム「サイバーディフェンダー」を発表し、市民がデジタル時代における「これからの課題」に備えるため、技術犯罪防止に焦点を当てた取り組みを行っている。

“Exploring the Metaverse” event in the CyberDefender metaverse on May 27. Source: Government of Hong Kong.

発売と同日に、プラットフォーム上で3つの仮想会場にまたがる「メタバース探検」というイベントが開催され、メタバース内での防犯対策について議論された。

イベント中、CSTCBのイップ・チュックユ首席監察官は、メタバースにおける注意喚起の重要性を強調。インターネットを利用するときと同じレベルの警戒をするよう、参加者に呼びかけた。

「サイバースペースでのあらゆる犯罪は、メタバースでも発生する可能性がある。例えば、投資詐欺、システムへの不正アクセス、盗難、性犯罪などだ。」

さらに、分散化が資産盗難のリスクを高める可能性があると説明した。

「Web3の仮想資産の分散化は、サイバー犯罪者がエンドポイントデバイス、仮想資産ウォレット、スマートコントラクトを標的にする可能性を高めるかもしれない」と同氏は指摘している。

“Exploring the Metaverse” event in the CyberDefender metaverse on May 27. Source: Government of Hong Kong.
香港警察では、2023年第1四半期に香港で仮想通貨に関する犯罪が大幅に増加したことを受け、特に「若い世代」に対するテクノロジー犯罪教育の取り組みを強化する計画だ。
2023年第1四半期に香港で報告された仮想通貨に関わる事件は663件。2022年第1四半期と比較して75%増となる5億7000万ドルの損失額となった。
「警察は『サイバーディフェンダー・メタバース』プラットフォームを通じて、さまざまなテーマで公開教育の取り組みを継続し、情報技術の最新の進歩、潜在的な危険性、テクノロジー犯罪を防止することの重要性に関する10代の人々の意識を高めていく」