米国最大の仮想通貨取引所コインベースは、プロ向けの取引プラットフォーム「コインベースプロ」でテザー(USDT)をサポートする。

22日の発表によると、コインベースプロは月曜に予定されている取引開始に先立ち、USDTのデポジットを有効にした。同社は流動性条件が満たされた場合に取引が開始されると説明。コインベースでは、イーサリアムブロックチェーンで実行されているERC-20バージョンのUSDTのみをサポートする。

コインベースは、USDTが一般投資家向けプラットフォームの方やモバイルアプリではまだUSDTは利用できない点も強調している。「このサポートが追加された場合には別途発表する」と、コインベースは付け加えている。

コインベースプロでのUSDT取引は、米国(ニューヨーク州を除く)、欧州連合、英国、カナダ、シンガポールの居住者が利用できるようになる。

プロ向けプラットフォームでのテザー上場だが、コインベース側がテザーを巡るこれまでの規制問題やテザーの裏付け資産の有効性を巡る議論については懸念していないことを示唆するものだとみられる。

今年2月、テザーとその関係会社であるビットフィネックスは、USDTがその資産の裏付けについて不当表示をしていたと告発したニューヨーク州司法当局との間で和解を行っている。和解の内容は、テザー側が1850万ドルの賠償金を支払うことや準備金に関する報告書を定期的に提出することだ。

ビットフィネックスの最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏は、コインベースでの上場について、コインテレグラフに次のようにコメントした。

「ERC-20のテザートークンをコインベースプロのプラットフォームに追加するというコインベースの決定には満足している。これは、時価総額が500億ドルに接近する中での出来事であり、コミュニティを拡大する新たな1歩となるだろう。最も流動性があり、安定した、信頼できるステーブルコインとして、テザーは新しいデジタルトークンエコシステムで重要な役割を果たしている。トレーダーや開発者はテザーを使うことを好んでいる。コインベースの承認は、仮想通貨のメインストリームへの採用のための重要な新しい橋が構築されたことを意味する」