中国ネットサービス大手テンセント(腾讯)は10月19日、傘下企業とともにデジタル変革戦略会議に関する記者会見を開催。ブロックチェーン業界の開発状況やトレンド分析などをまとめた「2019 テンセント・ブロックチェーン白書」の全文を21日に公開した。香港の金融系メディア「ejインサイト」(信報財經新聞)が10月24日に報じた

ejインサイトによると、テンセントはこの白書の中で、フェイスブックの仮想通貨リブラの運用が開始されると、自社のウィーチャットペイ(微信支付)やアリババのアリペイ(支付宝)など中国のモバイル決済サービスを世界的に展開する上で脅威となることを認めている。

テンセントは、リブラの拡大戦略の有効性を次のように説明したそうだ。

「これは、『農村から都市を包囲する』という戦略に基づいた手堅い手法だ。リブラは、先進国市場に足を踏み入れる前に、金融インフラが未発達の市場、とりわけ、信頼できる現地法定通貨を持たない市場に迅速に参入できる」

ただしこの白書では、リブラが開始された際に、テンセント自体がどのように対応するか触れていない。

リブラに対する脅威を指摘する一方で、テンセントはブロックチェーンが自身の武器になるとも考えている。

テンセントは、ブロックチェーン技術を使ったトークン化により、資金調達、研究開発、コミュニティガバナンス、ユーザー獲得などのコストを大幅に削減できるだけでなく、フィンテック分野において革新をもたらすと主張した。また、健全な市場確保のために十分な法規制の枠組みが必要だと考えているそうだ。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版