仮想通貨を使った「スマート紙幣」を手掛けるスマートキャッシュ社は、日本のSBIグループから1500万ドル(約16.4億円)を調達した。スマートキャッシュが21日に発表した。スマートセキュリティは今回の投資をもとに、同社が手掛けるカード型コールドウォレット事業を拡大させたいとしている。

スイスに拠点を置くスマートキャッシュは18年5月に、カード型のコールドウォレット「Tangem note(タンゲム・ノート)」を発表。1枚のカードの中にビットコインが0.01BTCや0.05BTCの額面で保管。ビットコインを紙幣のように持ち運べることから、これを「スマート紙幣」と呼んでいる。スマートキャッシュは、タンゲム・ノートにより仮想通貨の利用や流通を加速させようとしている。

スマートキャッシュ側は今回の発表の中で、「2019年のこの追加投資により、私たちのプロダクトの提供を拡大させていく。ブロックチェーン資産の流通を考えている企業に対して、より良いサポートを提供できるようになるだろう」とコメントしている。

今回スマートキャッシュへの投資を実施したのは、SBIホールディングス子会社でデジタルアセット関連の投資を手掛けるSBIクリプトインベストメントだ。同社も21日にスマートキャッシュへの投資を発表している。

SBIは、スマートキャッシュが開発する「タンゲム・ノート」は「低価格での生産が見込まれている」とし、「SBIグループが推進するデジタルアセットの実需創出に向けた取り組みを加速しうる」と述べている。またスマートキャッシュの発表の中で、SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは次のように述べている。

「非常に安価かつ手ごろな価格であるタンゲムのハードウェアウォレットは、デジタル資産とブロックチェーンの大量採用を促進するための重要なツールだ」

SBIグループは仮想通貨分野において積極的な投資を進めている。先週にもSBIクリプトインベストメントは、スイスの仮想通貨ウォレット企業ブレッドウィナーに出資したと発表した。