スイス金融市場監査局(FINMA)は、仮想通貨マイニングファームのエンビオンAGに対して、無認可のトークンセールの疑いで強制手続きを開始した。26日付のFINMAのプレスリリースによって明らかとなった。

 スイスに拠点を置くエンビオンAGは、非中央集権型のクリーンなエネルギーを使ってモバイルマイニングユニットを動かしていると主張するオフグリッドのマイニング企業で、、今年の1月中旬にEVNトークンの1か月にわたるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を完了させた。

 現在までの本件に関するFINMAの調査によると、エンビオンAGは3万人を超える投資家から、「債券のような形態」のEVNトークンの発行によって1億フラン(当時およそ1億1万ドル相当)を集めたと見られている。

 FINMAは、今回の手続きはトークンセールの際に「一般の人からの預入金を不当に受けとった可能性があることによって、銀行法に違反した疑い」があると説明。FINMAは手続き完了まで本件についてそれ以上のコメントを差し控えるとしている。

 スイスは、ICOについて強固で差別化された枠組みを提供している国だ。そのガイドラインの最新版は、FINMAによって今年の2月中旬に発表された。それはエンビオンの資金調達完了の1か月後のことであった

 それ以前のICOに関するガイドラインは、17年9月にFINMAによって発表されたもので、トークンセールは「ケース・バイ・ケース」で検討されるべきとしていた。ただ注目すべきことに、ICOで一般の人からの預入金を受け取るのには銀行業の認可を「通常必要とする」ことをすでに示していた。