スイス金融市場調査局(FINMA)は、仮想通貨企業のSEBAクリプトとシグナム(Sygnum)の2社に銀行および証券ディーラーのライセンスを与えた。FINMAが26日に発表した。今回ライセンスを取得した2社は機関投資家や企業向けのデジタル資産プラットフォームを目指すとしている。

SEBAクリプトの発表によれば、今回のライセンス取得を受け、同社は2019年10月上旬に新しい取引プラットフォームを開始する予定だ。SEBAは、プロのトレーダーや企業、機関投資家がデジタル資産への投資や保管、取引、借入をすべて1か所で行えるようなプラットフォームを目指すとしている。

SEBAクリプトは2018年設立で、UBSの元役員らが参加。「従来の銀行とデジタル資産の世界との間の重要なギャップを埋めること」を目指している。昨年9月には1億スイスフラン(約107億円)の資金調達に成功している

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シグナムは、今回のライセンス取得で、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などを含むデジタル資産のカストディ(保管)や流動性を提供するプラットフォームを目指すとしている

シグナムの共同創業者兼CEOのクリーガー氏は、「このライセンスは、デジタル資産バンキングを強化するというミッションの重要なランドマークだ」と強調。機関投資家向けに銀行レベルのソリューションの提供を目指すとしている。

仮想通貨企業対象のAMLガイダンスも

FINMAは今回の発表と同時に、ブロックチェーン関連の金融サービスに適用するアンチ・マネーロンダリング(AML)のガイダンスも発表した。

これは金融作業部会(FATF)が6月に出した仮想通貨によるマネロン対策のガイダンスに対応したものだ。スイスの新しいガイダンスは、仮想通貨取引所やウォレット事業者などが対象となる。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版