先日フェイスブックの仮想通貨プロジェクト「リブラ」から脱退を表明したストライプのパトリック・コリソンCEOが米議会上院議員から手紙を受け取っていたが明らかになった。「慎重に進めるように」とリブラへの参加に釘を指す内容であり、米国の仮想通貨業界では議会からの脅迫文だと批判されている。

ストライプと同じ日にリブラ脱退が分かったVISAやマスターカードの幹部にも同じ手紙が送られた

上院議員のブライアン・シャッツ氏とシュロッド・ブラウン氏は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与、プライバシー問題、金融政策の妨害などに対して懸念が出ていることに対して「フェイスブックはまだはっきりとした答えを出していない」と指摘。フェイスブックは「こうしたリスクに対処する責任をあなたの企業のようなリブラ協会のメンバーに押しつけようとしている」と警告し、次のように続けた。

「あなた達は、フェイスブックのリスク管理の脆弱性があなたのシステムの脆弱性となり、それを回避できない事態を招くことを懸念すべきだ(中略)もしあなた達がリスクを取るのであれば、あなた達は規制当局からリブラに関する支払い活動だけでなく、すべての支払い活動に関して厳しい審査を受けるようになるだろう。」

米議会や規制機関の反対によってリブラのプロジェクトが頓挫することで、中国による独自デジタル通貨が世界で普及する可能性が高まるという声が出ている

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