ビットコイン市場の下落と、デジタル資産トレジャリー(DAT)銘柄の急反落を受け、世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジー(旧マイクロストラテジー)が、投資家のバランスシート懸念の払拭に動いている。

同社は優先株の元本価値に基づく新しい信用格付けダッシュボードを公開し、ビットコイン価格が横ばいのままでも今後70年分の配当支払いに耐えられると主張している

同社は火曜のX投稿で次のように述べた。

「BTCが当社の平均取得額である7万4000ドルまで下落しても、転換社債に対して資産は5.9倍の余力がある。これを当社のBTCデット・レーティングと呼んでいる。BTCが2万5000ドルになったとしても2.0倍は確保される」

こうした動きは、仮想通貨価格の下落が大型DAT企業に強制清算を引き起こし、弱気の市場にさらなる売り圧力を加えるのではないかという懸念が高まる中で行われた。

ストラテジーのBTCクレジットダッシュボード Source: Strategy.com

ビットゲット・ウォレットのリサーチアナリスト、レイシー・チャン氏は、ストラテジーの配当余力と堅固な企業向けソフトウェア事業からのキャッシュフローは、清算リスクを大幅に低減していると指摘する。

「ビットコイン価格が横ばいで推移するという前提なら、ストラテジーの『71年分の配当余力』という主張は現実的だ」としながらも、長期的には「市場の変動性や規制環境の変化」など複数の不確実性があると述べた。

さらに同氏は、「同社の分散的な資金調達とHODL戦略は、継続的成長に向けたポジションを与えている」と評価した。

また、ストラテジーの継続的な買い増しは「業界全体の安定性」に寄与し、機関投資家による採用を押し上げてきたという。

「売らない姿勢」がビットコイン急落を防ぐ可能性

クリプトクオント創設者のキ・ヨンジュ氏は、ストラテジーが強制売却を回避できる財務状況にあることは、将来の下落局面でビットコインが重要な心理的節目を割り込むのを防ぐ可能性があると指摘している。

世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジーは「売る可能性が極めて低い」ため、次の弱気市場でもBTCが実現価格(約5万6000ドル)まで再び下落する可能性が低くなるという。

「MSTRのようなプレーヤーは売らない可能性が高く、そのコインは実質的に市場から消える」と、同氏はX投稿で述べた。

ストラテジーを含む複数のDAT銘柄(ビットマイン、メタプラネット、シャープリンクゲーミングなど)は、依然として株価急落や市場純資産価値(mNAV)の悪化に苦しんでいる。

mNAV比率は、企業価値を保有する仮想通貨価値と比較する指標で、1未満になると、新株発行による資金調達が困難となり、仮想通貨購入余力も制約される。

記事執筆時点で、ストラテジーのmNAVは1.16で、同社は理論上、新株発行により追加の資本を調達できる状態にある

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