英大手銀スタンダード・チャータードは3月10日、IBMと物流大手のマースクが開発したブロックチェーン国際貿易プラットフォーム「トレードレンズ(TradeLens)」に参加した初の銀行になったと発表した。TradeLensを介したサプライ・チェーン情報の共有により、国際貿易における貨物の真正性をリアルタイムで検証できるという。
プレスリリースにおいて、同行の貿易業務の責任者アーティ・フェルナンデス氏は、次のように述べた。
「貿易に関するエコシステムは、複雑なプロセス、長い所要時間、紙ベースの文書、関係者間におけるネットワーク接続の制限など、何世紀も前の貿易金融業界に由来する大きな問題点を抱えている」
TradeLensは、IBMとマークス(Maersk)が分散型台帳技術(DLT)「ハイパーレジャー・ファブリック(Hyperledger Fabric)」を基に開発したプラットフォームで、2020年3月現在で150組織以上が参加しているという。海運会社・政府・貿易代理店が、税関プロセスのデジタル化、認証と出荷情報の透明化・リアルタイム検証のため利用している。
また、各種センサーなどIot(モノのインターネット)で得たデータとブロックチェーンを組み合わせることで、温度制御からコンテナーの重量まで様々な要素を監視できるという。
TradeLensは、毎週数百万の出荷情報を登録し、これまでに世界中で1500万以上のコンテナデータを追跡している。
2020年2月、インドネシアの税関総局がTradeLensの利用を開始したと発表した。物流エコシステム全体のすべての利害関係者の利益となり、貿易の近代化全体を促進するという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン