Curve Financeの創業者マイケル・エゴロフ氏によると、2025年には分散型金融(DeFi)の複数の分野、特に特定用途向けの分散型取引所(DEX)、ステーブルコイン、トークン化資産で成長が期待されているという。

エゴロフ氏はコインテレグラフのインタビューで、今後のDEXの成長は、特定の目的に合わせた新たなプラットフォームによって牽引されると述べた。たとえば、異なる法定通貨に連動するステーブルコイン専用の取引所があれば、ステーブルコインにおける為替問題の解決につながるという。

「ユーロや米ドルなど、異なる単位のステーブルコイン同士の交換はまだ適切に解決されていない。どうすれば損をせず、かつ多くの収益を上げながら流動性を提供できるのかという問題は、いずれ解決されると私は考えている」

同氏はまた、金融機関やブロックチェーン開発者が新たな選択肢を提供することで、中央集権型・非中央集権型いずれにおいてもステーブルコインの提供数が増加すると予想している。

ただし、エゴロフ氏はDeFi分野における技術革新のスピードに対して、規制の枠組みが追いついていないと警告した。現在の金融規制は、20世紀に確立された旧来のシステムを前提に設計されていると述べている。

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DEX volume surged to new heights in the first several months of 2025. Source: DeFiLlama

米議会、DeFiへの課税規則を撤廃へ

米国議会では最近、分散型金融プラットフォームに対して財務情報の報告を義務付けていた米内国歳入庁(IRS)の規則を撤廃する決議案が可決された。

3月4日、米上院はこのいわゆる「DeFiブローカールール」の撤回決議案を70対27で可決し、続いて3月11日には下院も同様にこの規則を廃止する採決を行った。

この決議案は再び上院での承認を経て、ドナルド・トランプ大統領に送付される予定となっている。トランプ氏はこの決議案を支持する意向を示している。

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Stablecoins hit a market cap of over $227 billion. Source: RWA.XYZ

Dune Analyticsとオンチェーン分析企業Artemisが発表したレポート『ステーブルコインの現状2025:供給、普及、マーケットトレンド』によれば、ステーブルコインの普及は前年比で53%増加した。

このレポートでは、2024年2月から2025年2月までのアクティブなステーブルコインアドレス数を追跡しており、1,960万件から3,000万件に増加したことが明らかになっている。

また、3月18日に発表されたCoinbaseとEY-Parthenonのレポートによると、調査対象となった機関投資家の83%が、2025年に暗号資産の保有比率を引き上げると回答している。