ドイツのテクノロジー大手企業シーメンス(Siemens)が支援するブロックチェーンに基づくエネルギー取引プラットフォームのデモンストレーションが22日、バイエルン州のある自治体で公開された。

「ブロックチェーンに基づくピアツーピアのエネルギー取引」略して「ペブルズ(PEBBLES)」プロジェクトは、最適化された電力取引のためのブロックチェーンに基づく市場プラットフォームのバーチャルデモンストレーションを実施している。このデモンストレーションは22日、同プロジェクトにより正式に発表された

バイエルン州ヴィルトポルツリートでのペブルスのエネルギープラットフォームの公開デモンストレーションは、2018年3月の同プロジェクト立ち上げ以来の大きな節目となった。

ドイツの連邦経済エネルギー省による資金提供を受けているペブルスは、地域電力会社のアルゴイ・ユーバーラントヴェルク(Allgäuer Überlandwerk)、送電網事業者のアルゴイネッツ(AllgäuNetz)、およびシーメンスの共同イニシアチブだ。またペブルスプロジェクトは、ケンプテン応用科学大学とフラウンホーファー応用情報技術研究所の支援も受けている。

このイニシアチブは、民間のエネルギー生産者が、中間業者や従来の送電網事業者を通すことなく、地元消費者に電力を直接販売することができるプラットフォームの提供を目的としている。このプラットフォームは、電池貯蔵から電気自動車に柔軟に電力を供給することも目的としている。ブロックチェーンの導入は、市場取引に関するあらゆる情報が不変かつ透過的であることを確保するようデザインされている。

ドイツで開発されているブロックチェーンに基づくエネルギープロジェクトはペブルスだけではない。2020年2月、BMWiはエネルギー取引における主要なブロックチェーン導入の分析を発表し、BloGPV、SMECS、ETIBLOGG、ペブルスの4つの関連プロジェクトについて取り上げた。

2020年10月、ドイツのエネルギー革新に責任を負う主要政府団体ドイツ・エネルギー機構(DENA)が、エネルギーエコシステムを分散型データベースに移行することに目を向けていると発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン