バイナンスが仮想通貨ビットコインSVの上場廃止を決定したことを受けて、その他の取引所も対策に乗り出している。ただ、マーケットの自浄作用ではなく取引所の意思で上場廃止が決まることについて、ビットコインの精神に反すると批判する声も出ている。

シェイプシフトのエリック・ボールヒーズCEOは15日にツイートでビットコインSVの上場廃止を決定したと発表した

「我々はバイナンスとCZとともにある。48時間以内にシェイプシフトからビットコインSVを上場廃止することを決定した」

また、同じく米国の仮想通貨取引所クラーケンは、ビットコインSVを上場廃止すべきか、ツイッターでアンケート。執筆時点(4月16日10時)では「すべき。有毒だ」が73%、「すべきでない。価格発見に必要」が4%、「すべきではない。素晴らしいコインだ」が3%、「どうでもいい」が20%となっている。

さらに米国の仮想通貨取引所ジェミニ創業者タイラー・ウィンクルボス氏は、「速報です。ジェミニは最初からビットコインSVを上場していませんでした」とツイートした

今回のビットコインSV上場廃止運動のきっかけとなったのは、バイナンスのジャオ・チャンポン(通称CZ)CEO。ビットコイン創設者のサトシ・ナカモトを自称するクレイグ・ライト氏に対する嫌悪感から、ビットコインSV上場廃止を宣言した

ただビットコインSVの上場廃止が取引所主導で進められていることについて、批判の声が出ている。

シェイプシフトのボールヒーズCEOに対して、あるツイッターユーザーは「マーケットの決定に委ねないのか?あなたはまるで全体主義の政府みたいに行動した」と批判。別のユーザーも「私もクレイグ・ライトのことは好きではないが、ペイパルがウィキリークスとの取引を停止したのと同じではないか」とし、「ビットコインの精神に反する」述べた

ボールヒーズCEOは「私は、道徳・倫理とビジネスを分けるない」と反論した

またクレイグ・ライト氏とともにビットコインSVを率いるコインギークの創業者カルビン・エヤー氏は、バイナンスの上場廃止について「子供じみていて違法で、腐っている」と痛烈に批判。次のようにツイートした。

「バイナンスは、公の意思決定をする上でリーダーとしての経験がないことを露呈した。信用されなくなるだろう」