米証券取引委員会(SEC)とリップル社の法廷闘争について、SECはリップル社の内部コミュニケーションへのさらなるアクセスを求めている。

SECは9日に申し立てを行い、ニューヨーク南部地区のサラ・ネットブラン判事に対し、チャットツール「スラック」での従業員のやりとりの提出をリップル社に命じることを要求した。リップル社幹部の弁護士ジェームズ・フィラン氏がツイッターで明らかにした。

この申請書によると、リップル社が以前SECに提出したスラックのメッセージは不完全であるにも関わらず「スラックの提出は完全であると繰り返し主張」していたが、最終的には「データ処理のミス」が原因であったことを認めたという。SECは、リップル社はスラックメッセージの「膨大な量」のごく一部しか提示されていないと主張している。

「リップル社のデータ処理ミスと多くの文書の提出拒否は、SECを不利にしている。とりわけ、11人のリップル社の証人に対して、SECは不完全な通信記録を使って証言することになってしまった」

SECは、提出されていない文書には「テラバイトのデータ」を構成する100万件以上のメッセージが含まれており、リップル社の大規模な電子メールを上回るものと主張。これは、リップル社の従業員が少なくとも電子メールと同じ頻度でスラックでコミュニケーションをとっていたという証言から判断されている。当局は、リップル社が共有した過去のスラックメッセージからは、同社が提供した電子メールやその他の文書には含まれていない「決定的に重要な情報が得られた」と強調している。

リップル社は、スラックに関するSECの申し立てに対する回答期限を、8月12日から8月16日に延長することを申請した。