米証券取引委員会(SEC)はブロックチェーン基盤のプラットフォームのデジタル資産発行に対しノーアクションレター(法令解釈に関する照会)を発行した。このデジタル資産は法定通貨に交換することが可能で、有価証券として登録されていない資産に対しSECがノーアクションレターを発行するのは異例だ。

ノーアクションレターは、ガイドラインを遵守していれば、罰則を科すことはないというもの。SECが11月19日に発行した同書簡によると、アバターソーシャルプラットフォームであるIMVUに対し、一定の条件下でERC-20基盤のステーブルコインであるVCOINを発行したことに関して「執行措置を行わない」とした。SECはIMVUがVCOINを証券として登録せずに提供することを認めた。

IMVUは2021年1月からトークン販売を開始する。

米国ではこれまでに、独自トークンを発行する場合にSECの規制に従わなければいけないことが多く、これが議論の的となっている。

ノーアクションレターに遵守するために、VCOINを投資対象ではないことを示す必要がある。

SECは条件の一部としてVCOINの購入や交換、送金について「特定の制限」を加え、さらに有価証券でないことを証明するために本人確認(KYC)とアンチ・マネーロンダリング規制に対応する必要がある。VCOINに「無制限の数量と固定価格で継続的に利用できる」ようにする必要があるほか、トークンの「上場や取引を促進やサポート」を禁じた。さらにVCOINの販売による収益でネットワークのアップグレードはできないことを加えた。

ただ、IMVUはプラットフォームから購入、獲得、譲渡によって得たトークンを、法定通貨に変換することが可能だ。

過去にデジタル資産に関して、こうしたノーアクションレターが発行されたのは過去に2回ほどある。

一つは2019年4月に航空会社ターンキー・ジェット(Turnkey Jet)のTKJトークンは証券ではなく、トークン売却に執行措置を行わないとした。

2019年7月には、仮想通貨ゲーム会社ポケット・オブ・クォーターズ(PoQ社)に対し、ゲーム用トークンは証券に該当しないとの判断を下し、SECに登録することなしに同トークンを発行できるとした。ただ、過去の2例ともにトークンを法定通貨に変換することは許可されていなかった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン