ロシアの中央銀行によると、ロシア人は世界で最も積極的に仮想通貨市場で取引しているという。

ロシア銀行は20日、金融安定性に関する新たな報告書を発表し、2.8兆ドル規模の仮想通貨市場におけるロシアの役割が高まっていることを指摘した。

ロシア銀行は、2021年7月の国内主要銀行が報告した推定値を引用して、ロシア国民の年間の仮想通貨取引量は3500億ルーブル(50億ドル)にのぼると推定した。

報告書の中で、仮想通貨取引所バイナンスへのアクセス数において、ロシアが世界でもトップクラスであることを指摘。シミラーウェブ社のデータによると、ロシアはバイナンスの総トラフィックにおいて、トルコに次いで2番目に大きい国だ。

さらに、2021年8月時点のケンブリッジ・ビットコイン・エレクトリシティ・コンセンプション・インデックス(Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index)によると、ロシアは世界最大級のビットコインマイニング国であり、国別のハッシュレートでは3位であるという。

世界の仮想通貨市場でロシアが主導的地位にあることを認めた一方で、ロシア銀行は、金融安定性、投資家保護、マネーロンダリング、犯罪資金調達に関連するものや、ESGリスクなど、主要なリスクを指摘した。

中央銀行は、これらのリスクに対処するための措置を提案していないが、潜在的な脅威を特定するために市場を注意深く監視すると述べた。

「デジタル通貨と金融セクターとの関係は、現時点ではまだ限定的だ。しかし、デジタル通貨の急速な成長と普及は、世界的にもロシアの金融市場にとっても、より高いリスクをもたらすだろう」