ロシアのサンクトペテルブルク市裁判所は、仮想通貨関連のウェブメディアであるBitcoininfo.ruをブロックするとした、地方裁判所による先の判決を覆した。現地メディアのTASSが4日に伝えた。地裁により16年7月に言い渡された判決は仮想通貨関連の情報源に対する禁止令に準拠した物であり、ロシアではビットコイン(BTC)のようなデジタル通貨は合法ではないとされている。
TASSの報道によると、Bitcoininfoのオーナーが以前の判決に対する控訴を行った後、ロシア最高裁判所はサンクトペテルブルク市裁判所に判決の見直しを行うよう言及し、その後に今回の新しい判決が成立した。
「サンクトペテルブルク市裁判所は、Bitcoininfo.ruのウェブサイトに掲載された情報は閲覧を禁止されるべきだと判断した地方裁判所による判決を覆した」
裁判所のプレスサービスはまた、サンクトペテルブルクのヴィボルグ地方裁判所により16年7月に出されたウェブサイトに対する禁止令は現地の検察からの申請に沿った物だと伝えている。裁判の審議は裁判所により、ウェブサイトのオーナーが不在のまま行われた。
Bitcoininfoの代表によると、申請プロセスは検察により一方的に開始されており、ウェブサイトのオーナーは関与することができず、また違法と見なされるコンテンツの削除要請も無かったという。彼はまた、市裁判所は禁止令の成立後に行われた控訴の申し立てを受理することを拒否したことについても言及した。
裁判記録によると、現地の検察はウェブサイトに対する禁止令の要請を行った理由として、ウェブサイトが仮想通貨に関する情報を掲載していたことを挙げていたという。彼らは仮想通貨とは「政府の管理下から外れており」、「地下経済の成長を促し」、「特定の消費者特性を持たない」物だとしている。
今年に入ってサンクトペテルブルク市裁判所は、地方裁判所による40のビットコイン関連のウェブサイトをロシア連邦内で禁止するとした判決を破棄した。この禁止令が出された理由は、これらのウェブサイトが「いかなる現実の資産によっても裏付けされておらず、その所有者に対する情報を提供していない」デジタル通貨に関する「情報を広めていた」からとされている。
今回の裁判所による判決は、ロシアのプーチン大統領による命令で今後7月1日に予定されている、仮想通貨規制の枠組みの制定に先立った物である。枠組みはロシア連邦国家院の立法作業委員会により支持されており、今年3月に発表された「デジタル金融資産に対する」法案が含まれている。