リップルは3月27日、アフリカの決済インフラプロバイダーであるチッパー・キャッシュとの提携を発表した。これにより、同社の仮想通貨決済ソリューション「リップル・ペイメント」が、チッパー・キャッシュの国際送金に活用される予定だ。
両社は今回の提携について、より迅速で低コスト、かつ効率的な決済手段の提供を目指すものであると説明している。
チッパー キャッシュのウェブサイト. Source: Chipper Cash
リップルの中東・アフリカ地域マネージングディレクター、リース・メリック氏は「この提携は当社にとってアフリカ地域での事業拡大に向けた重要な一歩」と述べたうえで、「アフリカの消費者と企業は、ブロックチェーン技術の可能性をますます認識し始めている」と強調した。
この協業は、アフリカ全体でブロックチェーン技術の導入が進む中で実現したものだ。特に送金・決済分野での活用が顕著で、チェイナリシスの最新レポートによれば、サブサハラ・アフリカ地域における全取引高のうち、ステーブルコインが約半分を占めているという。
また2024年後半の別の報告書では、アフリカの新興経済諸国の多くがデジタル資産のハブとなる可能性を秘めているとも指摘されている。
リップルのメリック氏は、リップルとチッパー・キャッシュの協業でより低コストな国際送金が可能になると話す。
「チッパー・キャッシュのプラットフォームに当社の技術を統合することで、より迅速で低コストな国際送金を可能にし、彼らが展開する市場全体に経済成長とイノベーションを促すことができる」
送金市場に広がるブロックチェーン活用
リップルのメリック氏は、世界的な送金市場の成長に伴い、多くの企業が業務効率の向上を理由にブロックチェーン技術の採用を進めていると指摘した。
チッパー・キャッシュの共同創業者兼CEOであるハム・セルンジョギ氏は、「仮想通貨を活用した決済は、金融包摂の促進やグローバル市場へのアクセス加速、そしてアフリカ全域の企業や個人への力の付与といった、広範なインパクトをもたらす可能性を持っている」と述べた。
さらにセルンジョギ氏は、リップルの技術統合により「顧客がより速く、かつ低コストで送金を受け取れるようになる」と語った。
リップルは規制緩和の追い風を受け前進
3月には、リップルがアラブ首長国連邦(UAE)における仮想通貨を用いた決済サービスの提供ライセンスを取得した。さらに、同社は米証券取引委員会(SEC)との訴訟が終結したことで、事業展開に関する自由度を大きく高めている。
リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOは、この訴訟終結について「リップルにとって大きな確実性をもたらす」と述べ、「今後、当社がどのように進むかを主体的に決定できる立場にある」と付け加えた。