サブサハラアフリカにおける取引量の約半分がステーブルコイン取引で占められている。これは主に現地通貨の価値下落によるものだという。
チェイナリシスの最新レポートによると、ステーブルコインはサブサハラアフリカ地域の総取引量の約43%を占めているという。
「私たちが繰り返し指摘してるように、通貨価値の下落とステーブルコインの採用には関連性がある」と、チェイナリシスのサイバー犯罪調査統括であるエリック・ジャーディン氏はコインテレグラフに語った。彼は、この関連性を理解する鍵は「因果関係の方向性であり、現地通貨の購買力低下が米ドルステーブルコインの採用を促進する」と語る。
「これは、地元通貨が価値を失うときにステーブルコインの採用が急速に進むと予測するのが合理的であることを意味するが、この状況外でもステーブルコインの使用は急速に拡大する可能性がある」とも付け加えた。
Total stablecoins received by Sub-Saharan African nations. Source: Chainalysis
チェイナリシスは、ナイジェリアが仮想通貨採用のトップグローバルプレイヤーとしての地位を維持していることも報告している。調査結果によれば、ナイジェリアは2023年7月から2024年6月の間に約590億ドルの仮想通貨取引量となっている。
さらに、ナイジェリアで受け取られた送金額の約85%が100万ドル未満であり、小規模な個人もしくはプロフェッショナル取引が支配的であることが明らかになった。また、現地通貨ナイラの大幅な価値下落があったナイジェリアは最も多くのステーブルコインを受け取った国としてもランクされている。
「銀行にはドルがなく、政府にもドルがない。たとえあったとしても、あなたには渡さないだろう」と、アフリカの仮想通貨取引所イエローカードの共同創設者兼CEOであるクリス・モーリス氏は語る。
Naira value against stablecoin transaction volume. Source: Chainalysis
「ナイラが下落するにつれて、100万ドル未満の取引に対するステーブルコインの流入が増加し、特に通貨の大幅な価値下落時には活動が顕著になる」とチェイナリシスは指摘している。
同様の状況がエチオピアでもみられ、チェイナリシスによると仮想通貨採用ランキングで26位に位置している。エチオピアは現在、ステーブルコイン送金において年間180%の成長を遂げているアフリカで最も急成長している市場だ。
7月には、国際通貨基金(IMF)の支援を得るために通貨規制を緩和したことを受け、エチオピアの通貨ビル(ETB)が価値の30%を失った。
モーリス氏は、ステーブルコインがドルの代替手段であると付け加えた。「USDTやUSDCを入手できれば、他の場所で簡単にドルに交換できる」とし、国際貿易に関与する企業にとってステーブルコインが不可欠な存在になっていると語った。
金融サービス会社アブサグループのロブ・ダウンズ氏は、南アフリカの機関投資家の間でも同様のトレンドが見られると指摘し、ステーブルコインが「ゲームチェンジャー」だと指摘する。「当社の機関投資家は特に、流動性管理や通貨の変動リスクを軽減するツールとしてステーブルコインを使用することに関心を持っている」。
さらに、チェイナリシスによれば、過去数か月で南アフリカで受け取られる最も人気のある仮想通貨としてステーブルコインがビットコイン(BTC)を上回ったという。
Stablecoin value received surpasses BTC in South Africa. Source: Chainalysis
チェイナリシスは、アフリカでの仮想通貨のユースケースが「グローバル市場にとって貴重な教訓を提供する」と結論づけ、さらにアフリカが「グローバルな仮想通貨リーダーとして浮上する好位置にある」と付け加えた。
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