リップルは27日、「リップル・フォー・グッド」と名付けたい社会課題解決プログラムを開始すると発表した。この取り組みは、リップルが2500万ドル(約28億円)を拠出するほか、8000万ドル(約90億円)の寄付により運営し、教育分野や金融包含のプロジェクトに投資する。

リップルの発表によると、具体的にどのようなプロジェクトに取り組みのはかはまだ検討中とのことだが、科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学のいわゆるSTEM分野、そしてフィンテック分野に焦点を当てたものが選択肢になるという。

リップルは、教育が「ビジネス、金融、コンピューターサイエンス、政策などの幅広い理解や採用、革新を促す重要な要素になる」と考えている。

リップルは今年6月に開始した大学教育支援プログラム「ユニバーシティ・ブロックチェーン・リサーチ・イニシアティブ(UBRI)」の一環として、世界17の大学に5000万ドル(約56億円)の寄付を実施。仮想通貨・フィンテック分野の教育支援を行っている。

リップルのソーシャル・インパクト部門の責任者を務めるケン・ウェーバー氏は、グローバルな金融包含が究極的な目標だと、今回発表した取り組みのビジョンを説明している。

「我々は、バンキングや決済でのイノベーションが、すべての地域のすべての人に利用できるようになることをサポートしていく。金融サービスへのアクセスを持たない人々を含み、経済と経済セクターがより大きな利益をもたらすようにサポートしていく」

「リップル・フォー・グッド」は、リップルワークスとの共同事業として行うという。リップルワークスは、ソーシャルベンチャーや様々な分野の専門知識を持つボランティアを結ぶ非営利組織(NPO)。リップルのクリス・ラーセン会長が設立に携わった。リップルワークスはこれまで「55ヵ国で70のプロジェクトに取り組んできた」という。

リップルで社会貢献する取り組みとしては、今年5月にハリウッド俳優のアシュトン・カッチャー氏が。絶滅の危機に瀕している動物を保護する活動に400万ドル(約4.5億円)をリップルで寄付している

また仮想通貨業界では、米コインベースのブライアン・アームストロングCEOも慈善事業に乗り出している。今年6月に非営利事業「ギグ・クリプト」を立ち上げた。この取り組みは、仮想通貨で寄付を集め、新興国、特に金融危機に直面している人々への支援を行うものだ。