香港が個人投資家向けの仮想通貨取引の導入を進める中、地元の当局者は個人投資家向けのステーブルコイン取引がまだ許可されていないと強調した。
香港政府の金融サービス・財務局のクリストファー・ホイ局長によれば、香港はテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)のようなステーブルコインの規制を導入しておらず、これは個人投資家がこれらの資産を取引することが許可されていないことを意味する。
現地のニュースメディアの明報が、ホイ氏の10月6日のオンライン投資委員会で行った香港の仮想通貨規制についての発言を報じた。
仮想通貨サービスプロバイダーは、その価値が米ドルや金などの資産に連動して安定するように設計されているため、USDTのようなステーブルコインを主要な取引資産として広く使用しているとホイ氏は語った。しかし、一部のステーブルコインは過去に深刻なボラティリティ問題に直面したり、さらには崩壊したと指摘。ステーブルコインの準備金管理が投資家の法定通貨を償還する権利の価格安定性に大きな影響を与えるとホイ氏は付け加えた。。
これらのリスクを考慮に入れ、香港が正式にステーブルコインを規制するまで、ステーブルコインの個人投資家向け取引は許可されないとホイ氏は発言した。また、ホイ氏は、ライセンスなしで地域内でサービスを宣伝していた仮想通貨取引所JPEXが関係する詐欺事件にも触れ、仮想通貨市場のより厳しい監督の必要性を示している。
JPEXは2023年9月中旬から、香港の一部の金融機関からの「不公平な扱い」によって引き起こされた流動性危機を理由に、プラットフォーム上の一部のサービスを停止した。JPEXはすぐに業界の大きなスキャンダルの中心となり、香港当局はJPEXユーザーから2000件以上の苦情を受けて調査を開始した。ユーザーの損害額は約1億8000万ドル近くにのぼるという。
香港金融管理局は2024年末までにステーブルコイン市場の規制ガイドラインを導入する予定だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン