ソラナ共同創業者のアナトリー・ヤコベンコ氏は27日(日)、イーサリアムのレイヤー2(L2)スケーリングネットワークの分散性とセキュリティに疑問を投げかけた。
ヤコベンコ氏は、L2スケーリングネットワークには極めて広範な攻撃対象領域があり、コードベースも巨大なため、バグ検証を十分に行うことができないと主張した。さらに、マルチシグによるカストディを基盤とするこれらのL2では、ユーザーの同意なしに資金が移動される可能性もあると述べた。
「L2がETHのセキュリティを継承しているという主張は誤りだ」と同氏は議論の中で強調し、次のように続けた。
「L2ロードマップ開始から5年が経過したが、ソラナ上のWormhole ETHは、Base上のETHと同じ最悪のリスクを抱えつつ、ETH L1ステーカーに同等の収益を生み出している。どの角度から見ても、その理屈は成立しない。」
イーサリアムのレイヤー2スケーリングネットワークをめぐる議論は続いており、開発者や投資家、業界関係者の間で、L2ネットワークがイーサリアムL1の発展に寄与しているのか、それとも悪影響を及ぼしているのかについて意見が分かれている。
イーサリアムのレイヤー2は多すぎるのか
レイヤー2分析サイト「L2Beat」によると、現時点で確認済みのイーサリアムL2ネットワークは129件、未審査のスケーリングネットワークが29件存在する。
レイヤー1プロトコル「アノマ(Anoma)」の共同創業者エイドリアン・ブリンク氏は、「ブロックチェーン業界には必要量の10倍ものL2が存在する」と指摘した。
一方、Web3およびブロックチェーン・インフラ提供企業「Gateway.fm」の共同創業者イゴール・マンドリギン氏は「L2が多すぎるということはあり得ない」と反論した。
マンドリギン氏は、L2ネットワークの爆発的な増加はイーサリアムの健全な成長の証であり、エコシステムの多様化とネットワーク拡大を示すものだと述べた。
また、ユニファイドチェーン抽象化ソリューション「アヴェイル(Avail)」およびポリゴンのレイヤー2ネットワーク共同創業者アヌラグ・アルジュン氏も同調し、「それぞれのイーサリアムL2は高スループットのブロックチェーンであり、イーサリアムに多様な高処理能力の選択肢を与えている」とコインテレグラフに語った。
しかし、バイナンス・リサーチによると、こうしたL2ネットワークの乱立はイーサリアム基盤の収益を食い潰しているという。
L2ネットワークは取引手数料がL1に比べて低いため、流動性を分散させ、ベースレイヤーの収益を圧迫していると研究チームは指摘している。
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