ドバイ拠点を置く仮想通貨取引所JPEXは、出金手数料を引き上げや一部の業務を停止した流動性危機を巡り、規制当局と「サードパーティのマーケットメーカー」を厳しく非難した。

9月17日のブログ投稿で、JPEXは香港の規制機関からの「不公平な扱い」とネガティブなニュースがサードパーティのマーケットメーカーが「悪意を持って」資金を凍結させる原因となったと語った。「彼らは、交渉のためにプラットフォームから更なる情報を要求し、我々の流動性を制限し、日々の運営コストを大幅に増加させ、運営上の困難を引き起こした」とJPEXは述べた。

流動性危機を理由に、JPEXは9月18日までにアーン製品に関連するすべての業務を提供中止すると発表した。ユーザーは新たなオーダーを出すことはできず、既存のオーダーは製品の終了日まで続けることができるだけだという。ただし、通常の現物取引活動は現時点でも機能しているようだが、JPEXのユーザーによれば、プラットフォームが出金に対して999テザー(USDT)の手数料を請求しているという。最大出金額は1000USDTであるという。

JPEXは高額の出金手数料について具体的には触れず、サードパーティのマーケットメーカーとの交渉が終了した後に出金手数料を「通常レベルに戻す」ことを約束した。「サードパーティのマーケットメーカーからできるだけ早く流動性を回復し、出金手数料を徐々に通常レベルに戻すことを約束する」とJPEXは声明で述べ、詳細は交渉終了後に発表されるとした。

アーン製品の閉鎖に加えて、JPEXは分散型自律組織(DAO)を使用して、ユーザーからのリストラに関する提案を集めると発表した。コインテレグラフはJPEXに連絡を試みたが、記事執筆時点で返答は得られていない。

9月13日、香港証券先物委員会(FSC)は、JPEXが香港の住民に対してサービスを宣伝しているにもかかわらず、香港でのライセンス申請を行っていないとして警告を発した。FSCの声明では、ライセンスがないにも関わらず、高リターンをうたうなど、JPEXの行動に関して「いくつかの不審な点」を観察したとしている。

シンガポールのToken 2049カンファレンスの参加者は、FSCが警告を発した翌日にこのイベントでのJPEXのブースが放棄されていたと主張した。「プラチナスポンサーであるJPEXは、Token2049の2日目にブースを放棄した。余談だが、彼らのロゴはFTXに非常に似ている。それは何かの兆候だろうか?」とあるユーザーはツイートしている

サウスチャイナ・モーニングポストの9月18日の報道によれば、香港の地元警察は、JPEXを巡って現在までに少なくとも83の苦情を受け取っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン