ビットコイン価格が2万ドルの大台を突破した一方、先物の建玉も79億ドルと過去最高を更新した。
過去2ヶ月でビットコイン価格は74%上昇したが、ショート(売り)の清算は累計で43億ドルに達し、ロング(買い)」からの48億ドルを下回っている。

上記のチャートにあるように、先物の建玉総額は過去2ヶ月間で90%以上増加している。これは投資家がポジションを増やしていることを意味しており、より多くのプレイヤーが参加していることが分かる。
さらにシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が現在13億ドル以上の契約を保有していることも注目すべきだ。これはBTC市場への機関投資家の参入が増えていることを意味する。
毎日の清算状況を見ると、投資家はトレーダーがどのようにレバレッジを使っているかが評価できる。突然の価格変動は高い流動化を引き起こす傾向がある。

11月26日のロングの大きな清算は、当時BTC価格が12時間で14.4%下落したために強制的に決済されたことを示している。本日の2万ドル突破により3億6500万ドル相当のショートが清算されたが、11月の9億200万ドルの弱気の動きには、まだ追いついていない。
出来高は新高値に追いつかず
最近の出来高の減少傾向は、弱気派が喜ぶ要因となっている。ビットコインの総取引量は過去3週間で40%減少した。

仮想通貨取引所での1日の平均取引量は11月下旬に450億ドルに達し、その後250億ドルまで減少している。これには弱気派の戦略が働いている可能性がある。
コインベースとバイナンスでも同様に出来高が40%下落した。こうした出来高の低迷によって、20000ドルがサポートとなると考えるのはまだ早く、弱気派の動きが強まるかもしれない。
永久先物は過剰なレバレッジを反映
インバース・スワップとしても知られる永久先物契約では、ファンディングレート(資金調達率)という仕組みを持っている。ロングがショートより多い場合は資金調達率は正になり、買い手が手数料を負担する仕組みになっている。

1週間で4%を超える資金調達率が維持されていることは、極端に買いが強いことを意味する。この水準は市場の上昇局面では問題ないが、BTC価格が横ばいの場合には問題だ。キャリーコスト(先物の理論価格と現物価格の差。現物を保有した場合に先物を保有した場合と比較して、どれだけコストがかかるかを表している)が高いと、ロングはポジションを減らすことを余儀なくされ、そのため売り圧力が高まる。
こうした状況は、突然の価格下落時に大規模な清算が発生するリスクが高まるために、ロングからのレバレッジが高くなる。
こうしたことから弱気派は、畳み掛ける最高の瞬間を待っているかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン