仮想通貨取引所大手ポロニエックスは、完全なKYC(顧客確認)なしで1日1万ドル(約109万円)まで出金できる新たな口座サービスを発表した。
この口座は、「レベル1」と呼ばれる新たな口座。「自身の身元を明かさずにポロニエックスを使いたい」というユーザーの希望に応える形で立ち上げた。「我々は早く実現したかったが、思ったより時間がかかってしまい申し訳なかった」と続けた。
新たな口座では、KYCなしで1日1万ドルまで出金のほか、無制限の現物取引や入金ができる。口座を開くのに必要なのは、Eメールアドレスとパスワードの選択のみだという。
マージン取引やレンディング、法定通貨のワイヤーサービスなどの機能はついていない。
ポロニエックスは現在利用者の口座をアップグレードしており、検証済みでない既存の口座の凍結解除に向けて動いている。コインテレグラフはポロニエックスのトリスタン・ダゴストCEOに対して、凍結解除される口座数と資金額を問い合わせている。
ポロニエックスの方針は、世界の規制の潮流に反しているようだ。
例えば最近報じたように、EUによって来月10日に採用される第5次マネーロンダリング指令(AMLD5)ではEU外の取引所に対してKYCをしたユーザーのみ受け入れるように要求している。
ポロニエックスは10月19日に従来の親会社サークルからの独立を発表。セーシェル共和国を拠点としており、2019年11月1日以降、米国顧客はポロニエックスで取引できなくなった。
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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン