米ドル連動型のステーブルコイン「パクソス」の発行体で仮想通貨カストディ(保管)を手がけるパクソストラストは、ブロックチェーン基盤の証券決済プラットフォームを公開した。2月20日に発表した。最初に公開されるのはクレディ・スイスと野村グループのインスティネットの2社

同決済サービスはプライベートの許可型ブロックチェーンツールで、参加者は互いに直接証券取引の決済ができる。最初に公開されるのはクレディ・スイスとインスティネット間の現金と証券の取引で、次いで仏銀行ソシエテ・ジェネラルが米国上場の株取引を実施する予定だ。

クレディ・スイスのデジタル資産マーケッツ長のエマニュエル・アイドー氏は、以下のように述べている。

「今回のイニシアチブは、取引後のサイクルに素晴らしい効率性と費用削減効果をもたらす可能性を持っている。パクソス決済サービスは、規制に準拠したブロックチェーン技術を提供し、我々が市場構造改革とレガシー決済処理に縛られたキャピタルの開放に向けた重要な歩みを促す」

また、パクソスの広報は仮想通貨メディア、ザ・ブロックに、米株取引の決済の中で「リアルタイム環境下で、ブロックチェーンが使われるのは初めてだ。さらに証券保管振替機構DTCと証券決済機構NSCC以外で決済されるのも初めてのケースだ」と話した。

SECに代理店登録申請も

パクソス昨年10月、米国証券取引委員会(SEC)からノーアクションレター(法令解釈に関する照会)を受けたブロックチェーン基盤となり、決済プラットフォームの展開を許可された会社となっていた。

パクソスは今年後半に新たに、SECに決済サービスを提供する決済代理店登録申請を提出する計画も明らかにした。証券会社間の全仲介業者に決済サービスを提供する。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン