現在は閉鎖されている米仮想通貨プロジェクト「オイスタープロトコル」の創設者が約8億円の脱税の罪で4年の懲役判決を受けた。

今回厳しい判決をうけたのはアミール・ブルーノ・エルマーニ氏(31歳)だ。

米検察庁は10月31日、エルマーニ氏が「オイスタープロトコル」の運営やトークンの発行によって得た利益に対する所得税を支払わらなかったことを認めたと発表した。

米検察庁によると「エルマーニ氏は何百万ドルもの利益に対する納税義務から逃れ、また彼が創設した仮想通貨の投資家たちの信頼も裏切った。」

エルマーニ氏は2017年の9~10月にかけて、ブロックチェーンベースのデータ保管プラットフォーム「オイスタープロトコル」でデータを購入する手段だとして「パール(PRL)」トークンを宣伝していた。

ところが同氏は2018年10月、オイスタープロトコルの他の運営チームや投資家たちを騙して、大量の新しいPRLトークンを秘密裏に発行し、自身の利益のために市場に投げ売りしたという。エルマーニ氏はこういった行為を行ったことを認めている。

「これら新たに発行されたPRLを購入したユーザーは、私が秘密裏にPRLの総供給量を大幅に増やしたことを知らなかった可能性が高い」とエルマーニ氏は語った。

一方でエルマーニ氏は不法に得た収益を申告せず、複数のヨットに1000万ドル以上、企業への投資等に160万ドル、さらに日曜大工ショップで数十万ドル、また2軒の家を購入するために70万ドル以上を使った。これらは実態のないペーパーカンパニーや友人や知人の名義で購入されていたという。

彼はまた貴金属を大量に購入し、ヨットに備え付けた金庫に金塊を保管していた。

「エルマーニ氏は仮想通貨から得た利益を友人や家族にうけとらせ、それを自身の口座に送金させていた」と司法省は指摘している。

エルマーニ氏は今回4年の懲役刑に加え、1年の保護観察と約8億円の賠償金の支払いを命じられている。

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