デジタル通貨に関する取り組みで、民間主導では日本最大規模となる「デジタル通貨フォーラム」が第2回目の報告会を開催した。今回の報告は全体会3〜5回の総括となる。

2020年6月に発足したデジタル通貨フォーラム(旧デジタル通貨勉強会)は、発足から1年が過ぎ、参加企業は60社を超えた。民間主導のデジタル通貨の取り組みとして日本最大規模だ。

報告会では、これまで提唱している「二層構造デジタル通貨」について、7つある分科会のPoC(概念実証)段階の計画が報告された。フォーラム参加企業にサンドボックス環境を整備して開発APIを共有する予定だ。

例えば地域通貨分科会では地域での助け合いや住民の行動変容を促す「自助・共助マネー」、関係人口を拡大させ、地域にとっての「外貨」獲得につながる「広域関係人口マネー」、域外への経済流出を抑え、域内消費を活性化させる「経済活性マネー」の3つの機能をもつ地域通貨のPoCを検討している。

デジタル通貨フォーラム

(出典:デジタル通貨フォーラム 「地域通貨分科会:デジタル地域通貨の概要」)

分科会代表の三菱UFJ&リサーチコンサルティングの木内卓氏は「使いやすく、お得感を実感できるもの」を目指していると話した。同分科会には気仙沼市や会津若松市が参加しており、スマートシティやスーパーシティに向けた新しい取り組みになると期待を寄せる。

電力取引分科会では電力の環境価値に関するP2P取引と、その支払いや決済をデジタル通貨で実現するためのPoCを計画。具体的には①売却した電力や環境価値の対価として得たデジタル通貨を商業・サービス利用する②電力の環境価値を応用しグリーンファイナンスに活用する、ことを挙げた。

事務局を務めるディーカレットの時田一広社長は「6分科会が年明けにもPoCが可能だ」とし、早いところでは年内にも可能だとした。