ニューヨーク州のレティーナ・ジェームズ司法長官が仮想通貨取引所ビットフィネックスステーブルコインテザー訴追した

訴訟によると、ビットフィネックスが顧客の資金と自社の資金を混ぜて保管していたほか、提携先でパナマに拠点を持つ決済サービス企業クリプト・キャピタル関連の損失補填の為に7億ドル(約784億円)のテザーを使っていたという。

2018年10月、ビットフィネックスは顧客の預金引き出しリクエストの処理で問題を抱えるようになった。ニューヨーク州の司法長官によると、これはクリプトキャピタル関連で8億5100万ドル(約953億円)の損失、もしくは窃盗があった結果だという。ビットフィネックスは今日までこの資金の損失について情報を公開していない。7億ドルのテザー補填が行われたのもこの損失(もしくは窃盗)に対するものだ。

ビットフィネックスとテザーのCEOは同一人物だ。

ニューヨーク州の司法当局は、香港に拠点を持つビットフィネックスの運営会社iFinexに対して、テザーの準備金からビットフィネックスの銀行口座への資金移動や幹部への利益配当を止め、関連文書と情報を提供するよう求める裁判所の令状を得たという

ビットフィネックス、テザーをめぐる疑惑

今月13日、仮想通貨取引所ビットフィネックスの批判の急先鋒として知られるツイッターアカウント名Bitfinex'edが、テザーが再び巨額のフェイクマネーを市場に投下し始めているとツイート。前回、この規模のフェイクマネーを投下したとき、CFTCの召喚状が出て、マーケットは急落した」と警告していた。

2017年12月、ビットフィネックスとテザー社が米商品先物取引委員会(CFTC)から召喚命令が出された。理由は明らかになっていないが、このニュースが報じられた2018年1月以降、仮想通貨相場は急落したのは記憶に新しい。

また2018年6月にはテキサス大学のジョン・M・グリフィン教授らが、ビットフィネックスとテザーが共謀して価格操作し、それが2017年末のビットコイン急騰の要因となったという論文を発表。話題を呼んだ。

一方、米ドルと1対1で連動すると主張するテザーに対する信用問題もくすぶっている。

市場関係者から本当に十分な準備金があるのか疑問視する声が噴出。昨年10月、テザーが大量に売られて一時0.85ドルまで下落し、事実上米ドルとの1対1固定レートで交換できなくなった

仮想通貨相場は急落

ニューヨーク州の司法長官の訴追が明らかになったことを受けて、ビットコインは急落している。執筆時点(4月26日 8時30分)までの24時間でビットコインは5%近く下落。5220ドル付近で取引している。

(出典:TradingView「ビットコイン/米ドル(1日」)