ニューヨーク地検は17年11月1日、同地に本拠を置く企業家マクシム・ザスラフスキー(38)が、ダイヤモンドリザーブクラブ(DRC)ワールドとリコイン・グループ基金(REcoin Group Foundation)の2社のICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨で広く資金調達する手法)で共謀の上、詐欺行為に関与した疑いで逮捕したと発表した

米国証券取引委員会(SEC)は、同人が上記2件のICOに際して、投資家に対し詐欺を働いたとして訴えていた。

訴状によると、一方のICOは不動産資産に、もう一方のICOはダイヤモンドによって担保されているとの名目でクラウドセールされていた。しかしブリジット・ロード連邦検事代理によれば、ザスラフスキーらは、担保になる不動産やダイヤモンドが存在しないことを知りながら、ICOからの収益を約束して投資家を勧誘したということだ。

同ICOで投資家からだましとった金額は、約3000万円以上といわれている。

米国証券取引委員会が動いた

米国証取委は、17年9月下旬、ザラスフスキーと関連2社に対し、両社のICOによって得た資金の金額の虚偽表示を理由に訴訟提起していた。当時、米国証取委はザラスフスキーと両社の資産凍結のための裁判所命令も確保した。

この事件は、連邦地検商業・証券詐欺部が担当、連邦検事補ジュリアネスター(Julia Nestor)が執行官に任命されている。有罪判決が出た場合は、ザラスフスキーは最高5年の懲役刑及び罰金に処せられる。