三菱UFJフィナンシャルグループは7日、セキュリティトークンによる資金調達の目指すコンソーシアム「ST研究コンソーシアム」を発足させたと発表した。日経が6日に報じていたが、MUFGも正式にアナウンスした。

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新プラットフォーム「プログマ」

新しいSTOプラットフォームは「プログマ(Progmat)」。ブロックチェーン技術を使い、社債や証券化商品などの様々な金融商品を扱い、24時間いつでも取引できるようにする。

スマートコントラクトを使い、第三者を介することなく、トークンを交換可能にし、証券の権利移転と資金決済の自動化を目指す。

資金決済を行う際には「プログラマブルマネー」を用いて即時決済するシステムにする。プログマ用に独自の仮想通貨を構築するものとみられる。

またブロックチェーン基盤の信託を組み合わせ、投資家の権利を保全できる仕組みも構築するという。

出典:MUFG

発表によれば、プログマの開発にあたり、既に2019年7~10月に技術検証を実施済だ。社債をユースケースとして、ブロックチェーン基盤の比較検証やプロトタイプ開発などを行った。

コンソーシアムには21社が参画

また新しいコンソーシアムはMUFG傘下の三菱UFJ信託銀行や三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が事務局となる。

出典:MUFG

参加企業には、KDDI、NTT、三菱商事など21社が名を連ねる。

技術協力・決済検討社では、米セキュリタイズやLayerXのほか、「じぶん銀行」や「auアセットマネジメント」などのKDDI関連会社が多く名を連ねている。KDDIと三菱UFJ銀行はじぶん銀行で協力しているほか、auフィナンシャルホールディングスの最高デジタル責任者はMUFG出身だ。

またカブドットコム証券も今回のコンソーシアムに参加している。同社は、10月1日に発足した日本STO協会の設立メンバーでもある

実際に資産をセキュリティトークン化する事業者としては、KDDIやNTT、三菱商事の3社の名前が明らかになっているほか、ほかの5社も検討しているという。米セキュリタイズには三井不動産も出資していることから、不動産会社も参加している可能性があるだろう。