破綻した仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)が、現在の価格で25億ドル相当のビットコイン(BTC)を未知のアドレスに送金した。送金額は3万7477BTCにのぼる。
ブロックチェーン分析プラットフォームのアーカム・インテリジェンスのデータによれば、マウントゴックスは7月24日午前4時53分(UTC)に3万7477BTCを新しいアドレスに移動した。

そのうち、5106BTCはマウントゴックスが所有する別のコールドウォレットに再度送金された。
この動きに先立ち、Mt.Goxが7月22日に28億ドル相当のBTCを複数のウォレットに移動しており、そのうち3億4000万ドルは仮想通貨取引所ビットスタンプに関連する4つのウォレットに送金された。
ビットスタンプは、マウントゴックスの管財人と協力して債権者に資金を返還する5つの取引所の1つである。
クリプトクアントのデータによれば、記事執筆時点で、マウントゴックスが債権者に弁済するべきビットコインのうち、約40%が分配されたという。これは、残り60%に相当する56億ドル分がまだ債権者に弁済されていないことを意味する。

ビットコイン価格への影響は?
約90億ドル相当のビットコインが約12万7000人のマウントゴックスの債権者に弁済される予定であり、彼らは2014年に大規模なハッキング事件を受けて取引所が破綻してから10年以上も資金の弁済を待っている。
一部の人々はこの巨額の現物弁済が大規模な売却イベントにつながると考えているが、複数のアナリストはその懸念が大げさだと指摘している。
ギャラクシーデジタルのリサーチ部門責任者アレックス・ソーン氏は、債権者に弁済されるビットコインの半分以上が様々なファンド向けのものであり、直接市場に出回ることはないと話す。ソーン氏は、個々の債権者に直接弁済されるビットコインも市場に出回る可能性は低く、多くのマウントゴックスの債権者は「ダイヤモンドハンド」と言われるほど保有継続意欲が強いと語った。
他のアナリストも、マウントゴックスの影響はすでにビットコインの価格に織り込まれており、ビットコインの最悪の時期はすでに過ぎ去ったとコインテレグラフに語っている。