米仮想通貨分析企業メサーリは27日、最近の仮想通貨ビットコインの上昇には4つの大きな理由があると分析した

マクロ経済イベントに「初めて」反応

メサーリは、ビットコイン価格がマクロ経済イベントに史上初めて直接的に影響を受けている可能性があると指摘。例えば米中貿易戦争が激化した結果、人民元安が進み、中国人投資家がOTC(店頭)取引テザー(USDT)を使ってビットコインを購入していると解説した。その上でビットコインの流動性は以前低く、少数の中国人投資家が相場を動かしたのではないかと分析した。

メサーリによると、テザーの供給量は増加を続けている。

2017年に中国では仮想通貨取引所の運営が禁止されたが、OTCでビットコインの取引が増えていると指摘する声は多い。

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FRBによる金融緩和路線の確認

今年3月、FRB(連邦準備理事会)は今年の利上げを見送り、資産縮小を9月に終了させる予定を明かした。金融引き締め路線から金融緩和路線への転換が明確になった。先週に行われたFOMC(連邦公開市場委員会)でもFRBは不確実性が高まれば利下げを辞さない姿勢を示唆した

メサーリもFRBの金融緩和路線がビットコインの価格を押し上げたと指摘。ビットコインがインフレ圧力が高まるマクロ経済に対する「唯一のヘッジ手段」であり、仮想通貨の中でビットコインだけが上昇していることもこの説明を裏付けていると述べた。

フェイスブックのリブラ

メサーリも、フェスブックの仮想通貨リブラが世間一般の関心を仮想通貨に向けたという論調に賛同している。先週メサーリでは、エンジニア職への関心が急増。多くの候補者がリブラのことを話していたという。

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テクニカル要因

最後にメサーリは、ただ単純に「売り手が降参した」というテクニカル要因である可能性を指摘。少しの買い圧力でも価格に大きな影響を与えた可能性を話した。