6月6日午後18時30分の仮想通貨相場は、落ち着いた動きを見せている。主要3通貨はすべて0.5%以内で推移しており、最近まで続いていたボラティリティ(変動幅)上昇は一服している。一方、相場が激しく動いた5月は仮想通貨相場の取引高が13ヵ月ぶりの高水準をつけたという報道があった他、その相場を動かしていたのは中国人投資家ではないかという説が強まっている。
(出典:Coin360)
5月の取引高 13ヵ月ぶりの高水準
米国の仮想通貨・ブロックチェーン専門メディアThe Blockは5日、5月の仮想通貨相場の取引高が1000億ドル(約10兆8000億円)を突破し、13ヵ月ぶりの高水準を記録したと報じた。今年1月と比べて188%の上昇だった。
取引所別の取引高を見ると、5月はバイナンスが全体の59%、コインベースが最大12%、ビットフィネックスが最大9%、クラーケンが最大8%、ビットスタンプが最大5%だったという。
高まる中国人投資家説
5月の仮想通貨相場高騰の要因はなんだったのか?ここにきて中国人による資本逃避説が高まっている。
(出典:Adamant Capital「ビットコイン/米ドル(赤)と米ドル/人民元(青))
米国のビットコイン投資会社アダマント・キャピタルは、5月5日、中国の人民元が米ドルに対して下落し始め、13日後には下落幅は2.5%になったことに注目。ビットコインが6500ドルという重要な節目を突破した時期と重なると指摘した。
「我々は1つの要因を過小評価していたようだ。中国からの資本逃避だ」
アダマントは、今年ビットコインの強気相場をけん引したのは中国人投資家だった確率がかなり高まっていると結論づけた。
米中貿易戦争激化による資金の逃避先としてビットコインが注目されているという見方は多い。中国では2017年に仮想通貨取引所の運営が禁止されたものの、OTC(店頭)取引は引き続き活況で中国人投資家の仮想通貨市場に対する影響力は衰えていないという見方もある。
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ちなみにトレーダーのアレックス・クルーガー氏によると、5月にビットコインが急騰した時、中国のグーグルと言われるバイドゥでのビットコイン検索も急上昇した。