新型コロナウィルスとの戦いにおいて個人データがますます使用されるようになっている。それに伴い、データプライバシーの問題がよりフォーカスされるようになっている。非営利の技術コンソーシアムであるリナックスファンデーションは5日、マスターカードやIBMなど業界大手企業などとともに、新しいデータプライバシープロジェクトを発表した

ToIPファンデーション」と呼ばれる新しいコンソーシアムは、インターネットを介した信頼できるデータ交換を提供し、デジタル上の信頼性を確保するためのグローバル標準を確立することを目的としている。

ブロックチェーン企業R3も参加

発表によると、ToIPファンデーションの参加者には、金融、エンタープライズソフトフェア、ヘルスケアなどの業界から企業や営利団体、大学、政府機関などが幅広く参加している。

設立メンバーには、決済大手のマスターカード、IBMセキュリテイ、アクセンチュアが含まれている。また。その他には、エンタープライズ向けブロックチェーン開発のR3や、アーカンソー大学、オンライン融資プラットフォームのKivaなども名前を連ねている。

R3のデジタルIDの責任者であるアッバス・アリ氏は、R3が安全で信頼され、プライバシーを保護するデジタルIDエコシステムの開発に積極的に取り組んでいることを強調した。アリ氏によれば、R3のブロックチェーン「コルダ」がプライバートトランザクションのためのソリューションを開発できると、コインテレグラフに述べている。

「私たちのコルダプラットフォームはプライベートトランザクションを可能にするように設計されており、ToIPファンデーションの取り組みを組み込むことで、デジタル世界の自主性(Self-sovereignty)のための独自ソリューションを開発することができる」

アリ氏は、ToIPファンデーションへの取り組みについて次のように述べている。

「R3は業界のイニシアティブをサポートしており、ToIPによって定義また設置される標準でコルダが機能するようにしている」

デジタルトラストを有効に

リナックスファンデーションのエクゼクティブディレクターであるジム・ゼムリン氏は、新しい業界イニシアティブにより、新しいレベルのデジタルIDと検証可能なデータ交換が可能になると考えている。

ゼムリン氏は、ToIPファンデーションのミッションは「インターネットの元の設計では欠けていたデジタルトラスト・レイヤーを提供すること」であり、「人間の可能性の新時代」を引き起こすことだと説明している。

具体的には、新しいデータプライバシープロジェクトは、モノのインターネット(IoT)や人工知能などのシステムか関与する複雑なエンタープライズ環境で、デジタル資産とデータを保護・管理する企業をサポートすることだという。

これらの課題に対処するため、ToIPファンデーションは相互運用可能なデジタルウォレットと資格証明書、W3Cの標準を使用するデジタルIモデルの使用を計画している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン