ソラナ基盤のプロトコルであるLoopscaleは、580万ドル相当の最近のハッキング被害に関して、盗まれた資金の返還と引き換えにバウンティ(報奨金)を支払う交渉を進めていると発表した。
ハッカーは4月26日、Loopscaleのイールドボールト2つから約570万USDCと1200SOLトークンを盗み出し、この影響で分散型金融(DeFi)プロトコルはレンディング市場を一時停止した。
翌日、ハッカーはイーサスキャンのブロックチェーンスキャナー上で「バウンティと引き換えに資金を返還する意志がある」と示すメッセージを送信したと、Loopscaleは4月27日のX(旧ツイッター)投稿で明らかにした。
「私たちはホワイトハット合意に向けて協力する意思がある。ただし、バウンティの割合について交渉したいと考えている。当方の希望は20%だ」とハッカーは述べ、さらに「この協力的アプローチへの取り組みを示すため、このメッセージ送信直後に5000wSOL分を直ちに返還する」と明らかにしたという。
残りの資金については、イーサスキャン上で交渉が継続中だ。
ハッキングの概要
Web3プロトコルでは、ハッキング被害にあった資金を取り戻すためにバウンティを提示することが一般的だ。ただし、2025年第1四半期に盗まれた暗号資産総額16億ドル超のうち、実際に回収されたのはごく一部にとどまっている。
今回のLoopscaleのハッキングでは、USDCおよびSOLのボールトのみが影響を受け、被害額はプロトコルの総ロック資産(TVL)の約12%に相当すると、共同創業者のメアリー・グーナラトネ氏は4月26日のX投稿で述べた。
攻撃後、Loopscaleは一時的に貸付機能を停止したが、その後「ローン返済、追加担保、ループクローズ(借入ポジションの解消)」を再開したと発表している。
「他のアプリ機能(ボールトからの引き出しを含む)は、引き続き一時的に制限されています。現在、原因調査と再発防止策の徹底を進めています」とLoopscaleは述べた。
Loopscaleは4月10日にローンチされたDeFiレンディングプロトコルで、貸し手と借り手を直接マッチングさせることで資本効率の向上を目指している。
また、構造化クレジット、売掛債権ファイナンス、無担保貸付など、専門的な貸付市場にも対応していると、同プロトコルはコインテレグラフに共有した4月の発表で述べている。