ストラテジー(旧マイクロストラテジー)の株価にレバレッジをかけたエクスポージャーを提供する上場投資信託(ETF)が、11月20日のピーク時から約81%下落している。

T-REX 2X ロングMSTRデイリーターゲットETF(MSTU)は、過去3回の取引セッションだけで約40%の価値を失ったと、投資リサーチ企業コベイシ・レターは2月26日のX投稿で指摘した。

グーグルファイナンスのデータによると、ストラテジー株(MSTR)は同期間で約20%下落している。

「レバレッジETFは大幅な下落に見舞われている」とコベイシ・レターは述べている。

レバレッジETFはMSTRに追加のリスクをもたらし、目標とするレバレッジ比率を維持するためのリバランスコストによりパフォーマンスが低下しやすい。これらのETFは通常、原資産となる株式ではなく、金融派生商品(デリバティブ)を保有する。

MSTRは11月の高値から下落. Source: The Kobeissi Letter

 

強い需要と初動の好調

2023年9月、資産運用会社REXシェアーズとタートル・キャピタル。マネージドは、ストラテジー株の値動きにレバレッジをかけたETFを共同で立ち上げた

これらのETFは、MSTU(2倍のロングエクスポージャー)とT-REX 2X インバースMSTRデイリーターゲットETF(MSTZ、2倍のショートエクスポージャー)の2種類で、ストラテジーの株価変動に基づいた投資機会を提供する。

このローンチは、ディファイアンスが同様のETFを立ち上げた際、初日で2200万ドルの取引高を記録した直後に行われた。この取引高は、「レバレッジETFの初日記録かもしれない」と、ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は8月15日のX投稿で述べている。

ストラテジーのビットコイン投資ファンド化

ストラテジーは元々ビジネスインテリジェンス企業だったが、2020年に創業者のマイケル・セイラー氏が企業の資産を使ってビットコイン(BTC)を購入し始めたことで、事実上の仮想通貨ヘッジファンドへと変貌した。

ストラテジーはこれまでに約330億ドルを投じ、1BTCあたり約6万6000ドルの平均取得コストでビットコインを購入しており、現在の時価で100億ドル以上の含み益を抱えている。

MSTRの株価は2023年11月のピーク時には2500%のリターンを記録したが、2月26日時点で年初来から約15%下落している。これは主に、2月のビットコイン価格調整の影響によるものとみられる。